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2016.12.14
『青い鳥』
「あなたのおうちには、戸や窓が破れるほど『幸福』でいっぱいじゃありませんか。」
『家の中の幸福たち』の声がしそうです

友人からお庭の採れたてレモンとユズを頂きました♡
🍋蜂蜜漬けで風邪予防に~
爽やかな香りが部屋中に溢れています
桂子ちゃん💕ありがとうございます。
メーテルリンクの『青い鳥』

みずみずしく、美しくて実に素晴らしい舞台でした。
大賀先生、ご紹介くださいましてありがとうございました。
「未来の王国」はプラトンのミュートスさながらです❣️
幻想的なストーリーながら、哲学的なテーマが散りばめられている戯曲に、
いまいちど原作に触れたくて、堀口大學氏訳の本を手にしました。
おなじみのテーマ、幸せの青い鳥をさがして~
「実は(しあわせの)青い鳥は、家にいた」、というあの物語です。
本のあとがきに、
「万人のあこがれる幸福は、~~ほんとうの幸せは日常生活の中にこそ
さがすべきだというのがこの芝居の教訓になっているわけです。」
と、訳者のことばでしめられていますが…
否、
メーテルリンクの言いたかったことはそんなことだけではないのでは。。
<と、ここから長めの独断の感想になります故、お許しください。
お読みでない方は、ここからネタバレお進みにならない方がいいです
>
「どこにでもあってどこにもないもの、見えるようで見えないもの、それこそが青い鳥」
「青い鳥を捕まえる」、ということは、
「全ての真理を見通せるようになる」、ことと示唆されていて、
「幸福」は別のカタチで様々に登場しています。
チルチルの魔法の帽子についたダイヤモンドを回すと、
日常では知れない視点から世の中を体験できるようになっています。
ふたりは、旅を通じて「物自体」の視点を手に入れて、
多くのことを学んで帰ってきました。
家に戻ったふたりはもう帽子のダイヤモンドを使わなくても、
物事の本質を見られるようになっています。
だから家に帰って来たとき、自分の家に飼っていた鳥の中に
『青』を見ることができました。
「本当の幸せはいつも自分たちのすぐそばにあるが、
なかなか気づくことはできないし、
気づいた瞬間に手をすりぬけてなくなってしまうかもしれない。」
幸せとは「探す」対象、モノや状態なんかじゃなく、
「気づくこと」、そのまなざしのこと。
さらに根底には、
二元的立場や二項対立に分かつことの危険を示唆している作者のようにも。
主人公が兄妹でペアに、光と夜、火と水の精…
陰陽で登場するキャラクターたち。
最後のシーンで、病気から治った隣の娘をみて、
「あのこ『光』にそっくりだよ」、
と二人がびっくりしたのは、
最初は飼っている自分の鳥を誰にも渡したがらなかったチルチルが、
旅を終えて、(新たな視点を得た彼は)娘が治るようにと(二項対立の解消)、
「青」くなり始めた自分の鳥をあげることが出来たから、
娘に真実の「光の分有」(ここはプラトン主義的に
) がみえたのでしょう。
「いいよ。もう泣くんじゃないよ。
ぼくがまたつかまえてあげるからね。」
チルチルたちにはもう「青い鳥」といういう象徴は必要がないので、
飛んでいってしまったのではないでしょうか。
1911年にノーベル文学賞を受賞したこの作品の主題は「死と生命の意味」でした。
『ツァラトゥストラ』の著作の中でニーチェは「神は死んだ」と宣言し、
西洋文明が始まって以来の、
特にソクラテス以降支え続けた西洋の思想の死を告げた時代のこと。
そして、
ヨーロッパが主戦場になった人類史上最初の世界大戦が勃発したのは
わずかこの数年後のことでした…
そんな時代的背景にも思いを馳せながら、
メーテルリンクがほんとうに伝えたかったことを考えるのも楽しい観賞です
幻想的な世界へのいざない~探しにいこう、真実の在り処。
クリスマスイブの物語
この季節の読書にいかがですか。

「そそぎ込む月の光にも、
ほほえむ星の輝きにも、
上ってくる夜明けの光にも、
ともされるランプの光にも、
それからあなたたちの心の中のよい明るい考えの中にも、
いつもわたしがいて、
あなたたちに話しかけているのだということを忘れないでくださいね。」

『家の中の幸福たち』の声がしそうです


友人からお庭の採れたてレモンとユズを頂きました♡
🍋蜂蜜漬けで風邪予防に~
爽やかな香りが部屋中に溢れています

桂子ちゃん💕ありがとうございます。
メーテルリンクの『青い鳥』

みずみずしく、美しくて実に素晴らしい舞台でした。
大賀先生、ご紹介くださいましてありがとうございました。
「未来の王国」はプラトンのミュートスさながらです❣️
幻想的なストーリーながら、哲学的なテーマが散りばめられている戯曲に、
いまいちど原作に触れたくて、堀口大學氏訳の本を手にしました。
おなじみのテーマ、幸せの青い鳥をさがして~
「実は(しあわせの)青い鳥は、家にいた」、というあの物語です。
本のあとがきに、
「万人のあこがれる幸福は、~~ほんとうの幸せは日常生活の中にこそ
さがすべきだというのがこの芝居の教訓になっているわけです。」
と、訳者のことばでしめられていますが…
否、
メーテルリンクの言いたかったことはそんなことだけではないのでは。。
<と、ここから長めの独断の感想になります故、お許しください。
お読みでない方は、ここからネタバレお進みにならない方がいいです

「どこにでもあってどこにもないもの、見えるようで見えないもの、それこそが青い鳥」
「青い鳥を捕まえる」、ということは、
「全ての真理を見通せるようになる」、ことと示唆されていて、
「幸福」は別のカタチで様々に登場しています。
チルチルの魔法の帽子についたダイヤモンドを回すと、
日常では知れない視点から世の中を体験できるようになっています。
ふたりは、旅を通じて「物自体」の視点を手に入れて、
多くのことを学んで帰ってきました。
家に戻ったふたりはもう帽子のダイヤモンドを使わなくても、
物事の本質を見られるようになっています。
だから家に帰って来たとき、自分の家に飼っていた鳥の中に
『青』を見ることができました。
「本当の幸せはいつも自分たちのすぐそばにあるが、
なかなか気づくことはできないし、
気づいた瞬間に手をすりぬけてなくなってしまうかもしれない。」
幸せとは「探す」対象、モノや状態なんかじゃなく、
「気づくこと」、そのまなざしのこと。
さらに根底には、
二元的立場や二項対立に分かつことの危険を示唆している作者のようにも。
主人公が兄妹でペアに、光と夜、火と水の精…
陰陽で登場するキャラクターたち。
最後のシーンで、病気から治った隣の娘をみて、
「あのこ『光』にそっくりだよ」、
と二人がびっくりしたのは、
最初は飼っている自分の鳥を誰にも渡したがらなかったチルチルが、
旅を終えて、(新たな視点を得た彼は)娘が治るようにと(二項対立の解消)、
「青」くなり始めた自分の鳥をあげることが出来たから、
娘に真実の「光の分有」(ここはプラトン主義的に

「いいよ。もう泣くんじゃないよ。
ぼくがまたつかまえてあげるからね。」
チルチルたちにはもう「青い鳥」といういう象徴は必要がないので、
飛んでいってしまったのではないでしょうか。
1911年にノーベル文学賞を受賞したこの作品の主題は「死と生命の意味」でした。
『ツァラトゥストラ』の著作の中でニーチェは「神は死んだ」と宣言し、
西洋文明が始まって以来の、
特にソクラテス以降支え続けた西洋の思想の死を告げた時代のこと。
そして、
ヨーロッパが主戦場になった人類史上最初の世界大戦が勃発したのは
わずかこの数年後のことでした…
そんな時代的背景にも思いを馳せながら、
メーテルリンクがほんとうに伝えたかったことを考えるのも楽しい観賞です

幻想的な世界へのいざない~探しにいこう、真実の在り処。
クリスマスイブの物語


「そそぎ込む月の光にも、
ほほえむ星の輝きにも、
上ってくる夜明けの光にも、
ともされるランプの光にも、
それからあなたたちの心の中のよい明るい考えの中にも、
いつもわたしがいて、
あなたたちに話しかけているのだということを忘れないでくださいね。」



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