FC2ブログ
2023.07.18 Padma 2023 続
厳しい暑さが続く中、
つぎつぎと、美しい姿を見せてくれています。

fc2blog_20230712111550522.jpg


早朝、ゆるんだ蕾から初々しい純白の光を放ち、
まだ蕾の青をうっすらと表面に残したままのその可憐な華は、

数時間後お昼前には、
儚い命を保つように、そっと花びらを閉じてしまいます。


fc2blog_202307090949176a2.jpg


早朝に開いて、お昼前には閉じてと
その繰り返しを三回(三日)終えたあと、

命の時間を数えていたかのように、
四日目には、もう閉じることなく、

みごとに、一気に、花びらを散らしてしまいます。


みずからの定めを知っているのでしょうか。

散り行くその前日、
お別れを告げる光を放った白蓮をご笑覧ください。

fc2blog_202307090949079d6.jpg

fc2blog_20230709094905b5a.jpg



『維摩経』
「身は泥中の蓮華」に由来する諺「泥中の蓮」にみるように、

「煩悩の汚れの中にあっても決して染まらず、
清らかに純真な心と姿を保って生きよ」、

とその生きざまを示してくれているようです。


fc2blog_20230712111529616.jpg


fc2blog_2023070908420210d.jpg


fc2blog_20230709084212d5f.jpg


目白庭園での対面クラスを控えたその朝、
朝日と溶け合うように、蓮の蕾がひとつゆるみました。


純白の花に「行ってらっしゃーい」と見送られて、
七夕の日の、久しぶりの再会を喜びました。


fc2blog_20230709084205c9f.jpg


fc2blog_20230709085207e17.jpg


fc2blog_20230710150110422.jpg


fc2blog_20230709085338130.jpg


ゆったりとした流れのなかで、

瞑想とアーサナを通して呼吸を深めながら
身心をゆるやかに調えていく。

その今ここを味わう空間は、至福のときでありました。


今日、この日の瞬間、瞬間の記憶を、
ご恵送いただいた写真とともに、
ここに留めておきたいと思います


ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。


fc2blog_2023071014400336c.jpg

「なんのために生きてるのか」のこたえは、
まいにち ちがっててもいいわよね。

いのちをつかって「バランスをとるあそび」をしているだけって 
考えることもできるんじゃない?

なんのために生きてるのかわからなくても、
わたしたちは つまんないえいがも、おもしろいえいがも
みることができる お客さんなのよ。

” memento mori “ いえ、可愛い『メメンとモリ』(^.^)より



fc2blog_20230709085210719.jpg


fc2blog_202307090853406e3.jpg


fc2blog_20230709085343165.jpg


fc2blog_202307101440080e9.jpg


fc2blog_2023070908534566c.jpg


fc2blog_20230710144011ec3.jpg

<photo by Aikoさん, Kaoruさん, Chisakoさん>


2023.07.03 Padma 2023
一所懸命に呼吸しながら

fc2blog_202307031625217ed.jpg


宇宙の運行に溶け合うかのように、

まっすぐに
ひたすらに
天を仰ぎ、

解き放つ「その時」をいまここ
一瞬一瞬を味わっているようです。


fc2blog_20230703162539394.jpg

今年も間もなく会えるかな。



2023.06.15
「わしゃ凡夫じゃから悟りは開けんよ。
坐禅をやっても悟りは開けん。
ただ坐禅をやっている間は、苦しみを忘れるわな。
それでいいのじゃ。
人間はみな煩悩をもっている。
それを相手のせいにしちゃいかん。
自分で始末する。
そこが大切なことじゃね」

(『大拙と幾多郎』p207 『野村洋三伝』)


「坐禅をしたり少林会をやっているけれど、悟りを開いているのか」と
娘に尋ねられた時の野村洋三氏の答えに、思わず笑みがこぼれました。


「「苦しみを忘れる」というのは、
厳しい、不安定な、常に揺れているような現実の頼り無さを克服できるということ」


「坐っていると気持ちがいいですな」

斯くも偉人がこう仰っていたのですから、
さあ、わたしたちも坐りましょ

今週もご参加お待ちしております。


2023.05.11 回顧展
今、気になる二つの回顧展に行ってまいりました

まずは、マティス展「色、形、線 冒険の物語」

fc2blog_202305091240240fc.jpg


図録に収められているコラム「もうひとつの生を生きる―マティスのアオリスト」
(岡崎乾二郎著)によれば、

マティスは、
うつろいやすい光景の描写の「持続しない」一瞬しか捉えられなかった印象派を超えて、
「分裂した表象を繋げ、あるいは通り抜けるという「持続」」(p223)を探求したとのこと。


連続は位置付けられる場所がないゆえに、
(時間的な)「持続」として、かろうじて把握される。
その「持続」はそれを把握する主体の意識の持続性として理解され、
経験する主体の側に回収される。

連続させるような経験が生起したとき、
その連続させているものを時間と呼び、
結果としてその分節を包摂する、より大きな、延長しつづける空間、
が想像されるのである。



そこには、
「ベルクソンの持続という概念に強い親和性をもっていた」(p231)とありました。


fc2blog_20230509124030990.jpg



マティスのあふれる色彩の物語に示される「生きる喜び」は、
ベルクソンの「elan vital」
(生命の進化を推し進める根源的な力として想定された「生命の飛躍(生の飛躍)」)
の思想が潜んでいたかのかもしれません。


余談ですが、前回の西田哲学はその後期にベルクソンに影響を受け、
現実の世界を変えていく=創って行く「歴史的現実界」の論理的構造に至ったそうな。

西田幾多郎(1870-1945)



アンリ=ルイ・ベルクソン(1859-1941)
アンリ・マティス(1869-1954)



そして、同じ時代に生きた、ジョルジュ・ルオー(1871-1958)

回顧展「かたち、色、ハーモニー」


fc2blog_20230509124100606.jpg


ギュスターヴ・モローに学んだ同門でもあったマティスとルオーは
生涯に渡りとても親しい間柄であったそうです(友情の手紙)。


ご存知の通り、二人の画風はまったく異なる対照的な「形式」と「様式」をもち、
私は、ルオーの暗い宗教的主題の作品があまり好きでなかったのですが、

それは愚かな先入観であったことに気づかされました。


fc2blog_2023050912410618b.jpg
写真撮影可のお部屋にて



19世紀末から20世紀前半のフランスの地で、
二つの大きな大戦を経験し、生きた二人。


多くの問題を抱える現代に、
人間と社会について、近代を内側から眺めてみる。

生とはなにか、響くものが、そこにありました。


2023.04.27 己事究明
後期の西田幾多郎先生にラブレター?を発見


私と汝を包摂する何らの一般者もない。
しかし私は汝を認めることによって私であり、
汝は私を認めることによって汝である。
私の底に汝があり、汝の底に私がある。
私は私の底を通じて汝へ、
汝は汝の底を通じて私へ結合するのである。
絶対に他なるがゆえに内的に結合するのである。

『無の自覚的限定』



この西田の「底」とは、
「絶対無の自覚の場所」(自己が自己に於いて自己を見る、包む、無分別の世界)をいう。

もしかしたら、この「底」は、
フランス現代思想のジャック・ラカンの「穴」としての現実界(le réel )とも類似する概念かもしれない。


fc2blog_2023042609590420e.jpg
講義ノートをちまちま(^_^)


後期の西田は「絶対無の自覚」の底に於いて、
響き合う「私と汝」(私の人格と汝の人格)の世界から、
「私と汝と彼(彼女)と物」、
そして「個物的多の世界」の歴史的現実界の創造へと還相して行く。

還相廻向と、菩薩行に思いを馳せて、
ずっと知行合一の修行なり (*^_^*)


fc2blog_20230426100558f1a.jpg
Sirsasana(頭立ちのポーズ)
~Photo by Chisakoさん (^^) 連写をありがとうございました~




2023.04.20 春陽
NYから春が届きました

fc2blog_20230420102223746.jpg
@Central Park 4/15

fc2blog_20230420102225396.jpg
@Park Ave. & 90th

fc2blog_20230420102227504.jpg
Yukiさん、ありがとう\(^o^)/


こちらはLondonから 

fc2blog_2023042010342427a.jpg

fc2blog_20230420103431994.jpg
4/16 娘より


春の朝

雀がなくな、
いい日和だな、
うっとり、うっとり、
ねむいな。

上の瞼はあこうか、
下の瞼はまァだよ、
うっとり、うっとり
ねむいな。

『金子みすゞ全集』




東京ははや新緑を迎える頃となりました。

なにかと気ぜわしい時節でありますが、
こころを優しく包んでくれるような春陽に時に身を委ね、
「内側」をも楽しみましょうね。



@赤坂日枝神社 4/16